これは、勇者ロイゼとその末裔である勇者リコルが世界を救った、二つの伝説の狭間にある物語――。 ロイゼの子孫であるレイデルは、ロイゼが世界を救った後に作った王国の王子であった。 だが、素行が悪いレイデルは、臣下や民から信頼を得られず、王室からその存在を疎まれていた。 そんな生活に嫌気が差して国を出奔したレイデルは、身分を隠しながらトレジャーハンター兼傭兵として自由気ままに暮らしていたのだが――。 数年後。 レイデルは、闇の大陸にある法国の侵攻により、祖国が滅ぼされたことを知る。 過酷な旅路となることを予見しながら、法国へと急ぐレイデル。 しかし、それが法国を裏で操る枢機卿ティップ・チャーパスの仕掛けた罠であることをレイデルはまだ知る由もなかった……。