キリンジ

諸君、今こそ立ち上がる時だ！ 我らの手で、必ず光を取り戻すぞ！

太古の昔、新しい世界を創造するために、神は光の皇子と闇の皇子をこの地に遣わした。神は二人が力を合わせて豊かな世界を創ることを望んでいたが、次第に闇の皇子は多くの民に愛される光の皇子を妬み、そして光の皇子がいつか自分を捨ててしまうのではないかと恐れるようになる。やがて世界は二つに別れて大きな戦乱が巻き起こり、闇の皇子は人々の恐怖と憎しみを糧に魍魎を生み出した。光の皇子は魍魎ともども闇の皇子を冥界に封印すべく、自身の霊力を朱雀・玄武・白虎・青龍の四つの力に分散し、始祖の大地の四方から巨大な結界を作った。そして光の皇子自身も世界を守護する霊獣・麒麟と化したのだった。時は、それから一千年後――。魍魎を統べる存在である鬼神が現世に復活し、光の皇子によってかけられた闇の皇子の封印を解くべく、黄帝国の宰相に憑依した。そんな折、黄帝国王の側室が麒麟の魂を宿した子をその身に宿す。側室はその子を産んだ後に、鬼神が憑依した宰相の毒牙によって命を落としてしまった。キリンジと名付けられた側室の子どもは、軍略・指揮・統率・人望を持ち合わせた天才的な青年へと成長し、母を殺した宰相への復讐を誓って反乱軍を結成する。鋭い洞察力と類まれなる頭脳、人々の心を惹きつけるカリスマ性、そしてあらゆる式神を使いこなすずば抜けた霊力によって、キリンジは世界に革命を起こすべく戦いに挑むのであった。