アルセーヌ

次のターゲットを決めたわ、 ヘンドリックス。 予告状を届けましょう。

高層ビルが立ち並ぶ電脳都市、ファントムシティ。人間、獣人、アンドロイド、魔術師など、多種多様な種族が暮らすその街は、近年、景気の低迷による失業者の増加で貧富の差が拡大し、治安が悪化の一途をたどっていた。そんなファントムシティで暗躍し、巷を騒がせる、アルセーヌという名の一人の怪盗がいた。幼い頃に何者かに両親を殺害され、自身も瀕死の状態となった彼女は、その出来事をきっかけに魔力に目覚め、「強欲な人間の欲望を宝石に変える」という能力を得たのだった。自身の持つ力を駆使して、汚職政治家や暴利を搾取する権力者たちをターゲットに盗みを働き、一部の市民からカリスマ的な支持を得るアルセーヌ。他人の幸せを奪う者こそ“泥棒”であると考える彼女は、権力を振りかざす悪人から欲望と財産を盗むことを信条として、影から生まれたカラスのヘンドリックス4世と共に今宵も怪盗稼業に勤しむべく、予告状を片手に次なるターゲットを品定めするのだった。