デティアカル

「「一人の王より 数多(あまた)の民を… 聞かせておくれ、その欲望を…」」
元は若く誠実な政治家の男性だったが、絶望によって狂気の姿へと成り果てた存在。幼い頃から聡明で将来を嘱望される存在であった彼は、自身が信じる正義を目指し為政の道に進んでいく中で、「先生」と呼ばれる高名な人物に出会う。彼は先生の秘書官となって多くを学び、やがて仲間の議員からの支持を受けて立派な政治家となった。そして彼は、先生からの教えでもあった通りに民衆の声に耳を傾け、誰もが平等に幸福を享受できる世の中を作るために邁進する。しかし、様々な政策を進めるにあたり、徐々に自身のビジョンと民衆の意見との乖離に苦しんでいくこととなる。それでも彼は、多くの人々が望むのならと自分を殺して民衆に寄り添う形で実現しようとしていた。だがその結果、国家は甚大な被害を被ることとなって荒れ果て、内紛が巻き起こる。その後に発覚した数々の汚職の責任をすべて被ることとなり、彼は大罪人として吊し上げられてしまった。そうして処刑場へと連行された彼は、かつての恩師である先生と出会う。先生は、「君は良い人柱であり、愚民たちの見事な捌け口となった」と彼に言い捨てて邪悪な笑みを浮かべた。己がすべてに利用されていたことを察し、絶望した彼は、その刹那、怨嗟の叫びと共に異形なるものへと変貌を遂げた。機械のような無機質な肉体を携えた異形・デティアカルは、民衆から人間性を奪い去り、手のような姿に変えた者たちを部下として従え、悠然とした様子で佇むのだった。

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