発展を促す「競争の女神」 エリス

競争の灯火…成長を促す炎を、 絶やさず燃やし続けよう!
パーティーでの大失敗から立ち直れずにいたエリスは、厨房の隅で寝そべってひとり反省していた。そんな落ち込むエリスを元気づけようと料理人がエリスに料理を作って振る舞うと、厨房にいたもうひとりの料理人も試作品を食べて感想を聞かせてほしいとエリスに料理を運んできた。 二人の料理を食べたエリスは、どちらも褒めつつ何気なく自分の好きな片方を挙げてしまう。すると彼らは「次は絶対に勝つ!」「望むところだ!」と活気づき、料理勝負で競い合って美味しい料理を作り上げ、さらに新たなレシピの開発まで成し遂げてしまった。 進化し続ける新作料理の美味しさに感動していたエリスだったが、そのとき、あることに気がつく。それは、彼らの争いは喧嘩というよりも競争なのではないか、ということだった。エリスの言葉をきっかけに人々は自分の持つ能力を発揮して、どちらがより優れた成果を挙げるかという競争をしているようにエリスには見えたのだ。 自分の力を活用できる可能性を見出したエリスは、城下の鍛冶屋や染物屋、陶芸工房などを巡り、職人たちに「どちらが凄いか」を競わせ続けた。エリスの言葉がきっかけとなって職人たちは技術を競い合い、どんどん力を高め合い、次々に成果を上げていく。 エリスは自分の力の正しい使い方に確信を持ち、その後も様々な場面で人々を競争させていった。その結果、城下はどんどん活気づいていき、大きな産業が存在しなかったせいで発展が止まっていた王国は、人々の競い合いで生まれた技術の結晶を特産品として諸外国に売り出し、大きな発展を遂げていく。 こうして、エリスがメイドとして働き始めて一年が経過した頃、パーティーでの騒動によって壊れた城は以前よりも高く大きく立派に修繕され、エリスが突き破ったステンドグラスもあのときよりもさらに上等なものが完成し、城下町は明るい笑顔にあふれた人々で大いに賑わっていた。 そして、新たな城の完成と城下町の発展を祝う祭りの日がやってきたのだが、人々の長所を発揮させて国を発展させるきっかけを多く与えた者としてエリスが祭りの代表に選出される。平和を象徴する聖火を灯す役割を任されたエリスが聖火台に点火すると、その様子を見た人々は歓呼の声をあげた。 エリスが備えていた“争いの火種”はいつしか、皆の発展と成長を促す“灯”に変わっていたのであった。
- 性格
- 明るく元気で健気、せっかちでおっちょこちょいな部分があるが前向き
- 性別
- 女
- 好きなもの
- お気に入りのカンテラ、有益な競争を起こすことができる自分の力
- 苦手なもの
- 無益な争い
